日本で造られているウイスキー。世界から高い評価を受けており、実は世界に誇れる魅力を持っています。そんな日本のウイスキーですが、「世界5大ウイスキー」の1つなのです。世界が認める5つのウイスキー。各国の異なる定義があり、あらゆる過程でそれぞれの魅力あふれるウイスキーが製造されています。
世界5大ウイスキー

世界のウイスキーを解説する前に、ウイスキーとはどういうものなのか。簡単な概要を説明します。
ウイスキーとは国によって定義は異なりますが、一般的には次のような工程で製造したものをいいます。

穀類を水で糖化、発酵させて蒸溜し、蒸溜時のアルコールが95%以下のものを木製の樽で貯蔵し、熟成させたもの。
ここからは「世界5大ウイスキー」について解説します。各国で原料や製法に違いがあり、独自の特徴を実現させることで高い評価を受けています。
ジャパニーズ・ウイスキー
定義
- 原料として用いてよいのは麦芽や穀類、日本で採水された水のみ。 仕込みには必ず麦芽を使用する。
- 糖化、発酵、蒸溜は日本国内の蒸留所で行う。
- 蒸溜の溜出時のアルコール度数は95%以下。
- 容量700ℓ以下の木製樽に詰めて、3年以上の熟成を日本国内において行う。
- 瓶詰めは日本国内において詰め、その際のアルコール度数は40%以上。
- 瓶詰めに際して、色調整のためのカラメルの使用は認められている。
特徴
ジャパニーズ・ウイスキーは甘味が特徴とされています。ウイスキーはそもそも糖分を含まないものです。なぜ、甘く感じるのかというと、「味」ではなく「香り」による要素が強いのです。
熟成に使われている樽材や原料に含まれる成分が、ウイスキーに溶け出し「香り」となると言われています。樽材の中でも、ミズナラの樽は、ジャパニーズ・ウイスキーの象徴となる「香り」を実現させています。
スコッチ・ウイスキー
定義
- 原料は大麦麦芽などの穀物、酵母、水のみを用いる。
- スコットランドの蒸溜所で製造する。
- 蒸溜の溜出時のアルコール度数は94.8%以下。
- 容量700ℓ以下のオーク樽で、3年以上の熟成が必要。
- 瓶詰めの際はアルコール度数は40%以上。
特徴
スコットランドはウイスキーの発祥地として知られており、スコッチは伝統的ウイスキーなのです。また、「モルト」「グレーン」「ブレンデット」の3種類があり、それぞれで味わいも異なります。
最大の特徴は、ピート香というスモーキーな香りです。ピートとは、野草などが炭化した泥炭のこと。ウイスキーの製造の燃料となり、製造過程でピート特有のスモーキーな香りがウイスキーに移り、特徴的な香りが付与されます。スコッチ全てにピート香が感じられるわけではありませんが、最大の特徴であることは間違いないでしょう。
アイリッシュ・ウイスキー
定義
- 穀物を原料とする。
- アイルランドで醸造(糖化や発酵)、蒸溜、熟成を行う。
- 蒸溜の溜出時のアルコール度数は94.8%以下。
- 容量700ℓ以下の木製樽で、3年以上の熟成が必要。
- 瓶詰めの際はアルコール度数は40%以上。
特徴
アイリッシュの全盛期は18世紀中頃。当時は、前述した伝統的なウイスキーであるスコッチよりも生産量が多く、世界のウイスキー市場の60%を占めていたとされています。
最大の特徴は製造過程です。通常は、蒸溜を2回行うのに対して、アイリッシュは3回蒸溜します。蒸溜回数が多いほど、原料の不純物などが除去されます。雑味がなくクリアなウイスキー=アイリッシュ・ウイスキーが完成します。また、スコッチのように製造過程でピート(泥炭)を基本的には使わないため、スモーキーな香りよりも穀物由来の芳醇な香りがより強く感じられるウイスキーです。
カナディアン・ウイスキー
定義
- 穀物を原料とする。
- カナダ内で醸造(糖化や発酵)、蒸溜、熟成を行う。
- 容量700ℓ以下の木製樽で、3年以上の熟成が必要。
- 瓶詰めの際はアルコール度数は40%以上。
- カラメルまたはフレーバリングは可能。
特徴
使用量には制限がありますが、熟成以外の方法での香味の添加が認められています。これは他のウイスキーにはない特徴です。また、カナディアン・ウイスキーのほとんどは「ブレンデットウイスキー」です。トウモロコシを原料にするベースウイスキーと大麦やライ麦を原料とするフレーバリングウイスキーをブレンドしたものです。スパイシーさやフルーツような甘さが調和されており、口当たりがよくウイスキー初心者の方にはよくおすすめされます。また、ウイスキーを使用したカクテル作りに適しているのも特徴です。
フレーバリングとは?
フレーバリングウイスキーとは異なり、香味を添加するために他の種類のお酒を加えることです。ボトル内の9.09%まで添加が認められています。カナディアン・ウイスキーの多彩な風味や味を実現するには「フレーバリング」が重要な要素なのです。
アメリカン・ウイスキー
定義
- 穀物を原料とする。
- アメリカ国内で製造を行う。
- アルコール度数95%以下で蒸溜。
- オーク樽で熟成。
- 瓶詰めの際はアルコール度数は40%以上。
特徴
アメリカン・ウイスキーは硬水を使用し製造されています。種類が多く、原料や製法、規定の違いにより以下の5種類に分類されています。
「バーボンウイスキー」
- 原料の51%がトウモロコシ
- アルコール度数80%以下で蒸溜。
- オークの新樽でアルコール度数62.5%以下で熟成。
「ライウイスキー」
- 原料の51%がライ麦
- アルコール度数80%以下で蒸溜。
- オークの新樽でアルコール度数62.5%以下で熟成。
「ホイートウイスキー」
- 原料の51%がホイート(小麦)
- アルコール度数80%以下で蒸溜。
- オークの新樽でアルコール度数62.5%以下で熟成。
「モルトウイスキー」
- 原料の51%がモルト(大麦麦芽)
- アルコール度数80%以下で蒸溜。
- オークの新樽でアルコール度数62.5%以下で熟成。
「コーンウイスキー」
- 原料の80%がトウモロコシ
- アルコール度数80%以下で蒸溜。
- 古い樽もしくは内側を焼いていないオークの新樽でアルコール度数62.5%以下で熟成。
コーンウイスキー以外は、内側を焼いたホワイトオークの新樽で熟成されています。アメリカン・ウイスキーの特徴であるバニラのような甘い香りや艶のある飴色を作り出す重要な要素となっています。また、基本的には熟成年の規定はありませんが、最低2年以上熟成させたものは「ストレート〇〇ウイスキー」という呼び方になります。
アメリカン・ウイスキーを代表する「バーボン」。その中には「テネシーウイスキー」と分類されるものがあります。テネシー州で製造、チャコールメローイング製法を用いているという点が、バーボンと異なります。
チャコールメローイング製法とは?
テネシー州産のサトウカエデの木炭で、蒸溜したての原酒を一滴ずつろ過する製法。工程には10時間ほど要し、ゆっくりと精製されることで、雑味がなくまろやかな味を実現させています。
代表的はウイスキー

ここまで「世界5大ウイスキー」について解説してきました。単にウイスキーといっても様々な違いがあります。自身が親しみやすいものを探し、ウイスキーをより楽しんでください。
最後に、それぞれの代表的なウイスキー紹介します。
ジャパニーズ・ウイスキー
「山﨑」「白州」「響」「余市」「宮城峡」
スコッチ・ウイスキー
「ジョニーウォーカー」「ティーチャーズ」「ザ・マッカラン」
アイリッシュ・ウイスキー
「ジェムソン」「ブルッシュミルズ」「バスカー」
カナディアン・ウイスキー
「カナディアンクラブ」「クラウンローヤル」「カナディアンミスト」
アメリカン・ウイスキー
「ジムビーム」「メーカーズマーク」「ワイルドターキー」
テネシー・ウイスキー
「ジャックダニエル」